不労所得型の経営で成功した起業家が教える、秘密のノウハウ

週休7日で遊んで暮らしている起業家です。あまりにもヒマなので、私が今までの経験で得たノウハウを無償でお伝えしています。申し訳ございませんが、プライベートの自由な生活を守りたいので私の個人情報はできる限り秘匿とさせていただきます。皆様の幸せを願っています。

研修に参加しただけで新規開拓が成功した話

 

以前、私は「強烈な研修」に参加したことがある。

 

その研修は普通の人は参加できない研修。一般の人にはその研修の情報すら降りてこない、そんな特殊な研修だった。

 

参加者はそうそうたるメンバーだ。日本中の人が知っている超有名な起業家であるKさん、関西では誰もが知っている飲食店グループのオーナー、上場直前の勢いのあるベンチャー起業の経営者……スゴい面子である。

 

そんな中で一際若く、一際イケメンだったのが私だった。

 

「自分で若いとかイケメンとか言うな!」と思われるかもしれないが、逆に言えば、それほどまわりの人達が貫禄があって落ち着いていたということだ。私は明らかに浮いていた。(良い意味でも悪い意味でも)

 

救いだったのは、私以外に若い男性が何人かいたことだ。浮いている者同士、必然的に私は彼らと昼食を共にした。テーブルは6人がけ。そこに私と私以外の若い男が二人。計3名で食事していたのだが……

 

いつの間にか、いかにも“お偉いさん”といった雰囲気の初老の男性二人が同じテーブルに座り、食事を始めている。

 

落ち着かない若者三人衆。

 

やがて緊張の時間がやってきた。
初老の男性のうち1人が、私の横の若者に話しかけたのだ。

 

◇◇◇

 

初老の男性: 「はじめまして。石川と申します(※)」

 

横の若者: 「あ、はじめまして! 綿貫と申します(※)」

 

※読みやすさを考慮し、仮名で記述。実際の名前ではない。

 

初老の男性: 「どうですか、研修」

 

横の若者: 「いろいろと勉強になることが多くて楽しいです」

 

初老の男性: 「お仕事、何されているんですか?」

 

横の若者: 「私は作家としても有名なYさんの顧問というか、相談役のようなポジションで働いています」

 

初老の男性: 「独立されて?」

 

横の若者: 「そうです。石川さんは何されているんですか?」

 

初老の男性: 「私も綿貫さんと似たようなものです。外部顧問のような仕事をしているんですよ。有名なところで言うと、Pとか」

 

Pの社名が出たところで、テーブルに座っている全員の空気が変わった。Pと言えば誰もが知っている超有名企業だ。その企業の外部顧問をしているなんて、とてつもない大物である。

 

テーブル席の空気がかすかに緊張感をまとった後、横の若者は意外な行動に出た。

 

◇◇◇

 

綿貫さんは突然、目の前の大物を相手に自分の凄さを語り始める。

 

「今私は40冊くらい本を出しているYさんの顧問のような立場なんですが、はじめてYさんとお会いした時、ビックリされたんですね。私としては自分が知っていることをペラペラしゃべっていただけだったのですが、それがYさんにとっては新鮮だったようで、『スゴい!』ってなったんですよ。それで『ぜひうちの相談役になってほしい』と言われまして。それで今のような形になったんです」

 

空気を読める石川さんは聞き役にまわった。

 

「その時語ったことというのは、具体的にはどういうことだったんですか?」

 

すると、勢いがついた綿貫さんは目の色を変えて話を続ける。

 

「例えば、事業立ち上げ時における新規開拓をどうするか? 私だったらできるだけネームバリューのある人を顧客にすると決めます。たった一人でいいので、有名な人を顧客にする。難しくて大変かもしれないけど、必死に営業してネームバリューのある人を顧客にする。そうすれば、最初が難しいだけであとは簡単になる、というロジックです。一人でも有名な人を顧客にすれば、あとはその有名な人を顧客にしていることをプロフィールに書けますから、そのプロフィールを見て人が自然と集まってきます。そうすれば後の新規開拓はラクです。時間が経てば経つほどラクになっていきます。ほとんどの経営者は逆なんですよね。ラクな新規開拓からやってしまう。有名でもなんでもない人を最初に顧客にしてしまうから、その後の新規開拓がラクにならない。そういう話を私はYさんにしたんです。そうしたら『おお!スゴい!こんな話は聴いたことがない』と。私としては『こんな話でいいの?』といった感じでしたが、Yさんにとってはスゴい話だったようなんですよ」

 

石川さんはウンウンとうなずきながら、よく聴いていた。

 

その後、話しすぎた!と感じたのか、綿貫さんは石川さんに質問する。「石川さんはどうやって新規開拓されているんですか?」と。

 

その後、石川さんは丁寧にお話しされていたが、自然と会話はフェードアウト。私は綿貫さんと石川さんの話を聴くばかりで、一言も発せず。「では、またあとで!」と声を掛け合い、一同解散となった。

 

まさかこの時、石川さんが私に仕事を依頼してくるとは思ってもみなかった。

 

◇◇◇

 

研修3日目。
その研修は宿泊型だったので、他の参加者とともにホテルで朝食をとる。

 

私は早起きして、朝食開始の時間ピッタリに朝食会場に向かった。

 

きっと私が一番乗りだろう……
そう思って会場に入るとビックリ。

 

すでに石川さんが食事している。

 

さすが初老は朝が早い。

 

「朝から大物を前にして食事するのは緊張するなぁ」と思ったが、私はなんとなく石川さんの前に座りたくなった。「ここ、大丈夫ですか?」と声をかけると、「もちろん!もちろん!どうぞ」と気さくにこたえてくれる石川さん。お言葉に甘えて、向かい合って朝食をとることにした。

 

特に会話を盛り上げるつもりもなかったのだが、自然と会話が盛り上がっていく。はじめは石川さんがホテル周辺を散歩した話から始まり、運動の大切さについて語り合うところに進み、やがて仕事の話になり……

 

気づけば私はこう言っていた。

 

「石川さんのコンサルティングのしかた、いいなぁ……私も石川さんのようなコンサルティングがしたくなりましたよ(笑)」

 

すると石川さんは、今まで見せたことがないニコッとした笑顔を見せた。
少年が母親にほめられた時のような笑顔だ。

 

その後、石川さんはこう言った。

 

「今度、澤村さんに色々相談させていただきたいなぁ」

 

若い私はあわててこう言う。

 

「いやいや、石川さんのような方に私の話なんて……」

 

するとさえぎるように石川さんはこう言った。

 

「いや、本当に。本当に澤村さんに相談をお願いしたいと思っているんです

 

こうして仕事の依頼が一件入ってしまった。
研修中に新規開拓成功である。

 

◇◇◇

 

石川さんは、どうして綿貫さんではなく私に仕事の依頼をしたのか?
その理由がなんとなくでも分かるだろうか?

 

理由は1つだ。

 

「綿貫さんは自分の話を嬉しそうに語り、私は石川さんの話を嬉しそうに聴いたから」

 

ポイントは「どこに嬉しそうにしているか」という点である。綿貫さんは石川さんの話を聴いている時より自分の話をしている時に嬉しそうにしていた。一方、私は自分の話はポイントをまとめて簡潔にニュートラルに語り、石川さんの話を聴く時には楽しそうに嬉しそうに聴いていた。

 

この違い。

 

誰だって、自分の話を嬉しそうに聴いてくれる人のことが好きになる。自慢話を嬉しそうにする人より、自慢話を嬉しそうに聴いてくれる人に好感を持つ。そして人は感情で動く。「この人、なんか好きだな」と思えば仕事の依頼をするし、大金でも払うのだ。

 

私は石川さんの話を聴いている時、「スゴいなぁ」という言葉を何度も言っていた。何かを狙っているわけではなく、ただただ自然に「スゴいなぁ」と声が出ていた。それは本当にスゴいと思っていたからだった。本当に石川さんを尊敬する気持ちが湧いてきて、それを素直に声に出していただけだった。その言葉とそれ以外の非言語コミュニケーション(嬉しそうな表情・楽しんでいる声など)が傾聴時に伝わったため、石川さんは私に好感を抱き、仕事の依頼をしたくなったのだろう。

 

話すより、聴く。
聴く時には好奇心をもって楽しみながら聴く。

 

あなたはできるだろうか?

 

 

i.Sawamura